IBM USA WALL CLOCK 1960S

IBM MID CENTURY OFFICE/SCHOOL SYSTEM CLOCK. ORIGINAL MADE IN USA, USED

¥32,800 exc. tax

Product Description

■ International Business machine

IBMという会社の名前を聞いたことがないというビジネスマンはおそらくいない。そしてこの会社がコンピュータ大手の企業であるということも同じくらいよく知られた事実である。しかし、このIBMという会社の正式名称を知っている人となると以外と少ないのではないだろうか。そしてさらに、コンピュータというものが世の中に登場する以前、IBMが何を作っていたか、知っている人はもっと少ないのではないかと思う。

IBMは正式名称をInternational Business Machine Corp.といい、その源流は1911年に創業したCRT(computing Tabulating Recording Company)にさかのぼることができる。CRTとはパンチカードによる大型の計算機のことで、コンピュータ前史における事務処理機器のボスキャラであった。初代社長ThomasJWatsonSr(シニア)は官公庁のCRT需要に目をつけて会社を急成長させた。しかし、それまでのIBMは他にもタイムレコーダ、工場・学校などの時計システム、はては食料品の計量器具やスライスマシンまで手掛ける”よろず”産業機器メーカであった。当時のロココなロゴマークが物語る通り、今日我々が思い浮かべるIBMのイメージとは少々趣きを異にする会社であった。

1950年代、先代から会社を引き継いだ実子、ThomasJWatsonJr(ジュニア)は先代の経営フィロソフィを継承しながらも未だ黎明期にあり将来性の定まっていなかったコンピュータ事業への資源集中と汎用コンピュータ開発のための巨額投資という大きな賭けに出た。後にFortuneに”50億ドルの賭け”と報じられたこの社運を賭けたトランスフォーメーションは1964年のSystem/360に結実する。ジュニアが”IBMの歴史上で最も重要な製品”と評した通り、System/360と後継メインフレームの成功は企業向け事務処理・研究開発はもとより、軍需・宇宙開発などの国策プロジェクトまで幅広く採用され、エンタープライズ・コンピューティングのみならず、その後のハイテクセクターにおけるIBMの圧倒的な存在感を決定づけた。良くも悪くもエスタブリッシュで権威主義的・官僚的な今日我々が知るIBM像はこうして誕生した。

しかしジュニアの慧眼は事業シフトだけにとどまらず、より抽象的な意味での”デザイン”がいかに企業イメージを左右するかをも見抜いていた。1950年代、CorporateIdentityという言葉さえ存在しなかった時代に、MOMAのキュレータも務めた建築デザイナElliotPaulを筆頭に、グラフィックデザイナPaulRand、工業デザイナーCharles and Ray Eamesらが招集され、Corp Design Projectはすすめられた。それは単なるつけたしや目新しさをねらった表面的で装飾的なフェイスリフトとは対極にある根本的な企業アイデンティティの見直し、再構築の試みだった。より大局的な視点でとらえれば、ジュニアが断行した事業シフトや研究開発投資でさえ、IBMの存在価値をラディカルに解釈し直し、企業そのものをデザインし直すという作業の一環にすぎなかった。

もうひとつ、ジュニアは社長就任とほぼ同時にロゴマークを変更している。PaulRandのデザインによる新ロゴは一見すると単なるフォントタイプの変更という些細なものだった。このため新ロゴはContinuityLogoと呼ばれ、ジュニアが先代の経営方針を継承する意思を表明したものと解釈されている。しかし、この新ロゴこそ、International Business Machineとの決別、IBMー”アイビーエム”というアイデンティティへのシフトを象徴していた。無論それまでも、IBMのロゴは存在した。しかしそれは正式社名のイニシャルをとった省略形としての存在にすぎなかった。新ロゴとその後の社名呼称ではこの正副が明確な意図をもって逆転された。ジュニアは新ロゴによってインター~よりもはるかにシンプルで斬新なIBMというIdentityを提示したのだった。表面的にはコスメティックに過ぎないような変更にこそラディカルな変革への意思が示唆されている。”変革は大局的に見た場合には継続性の中でもたらされる”。ジュニアの言葉は通常の解釈とは逆にこの意味で解釈されなければならない。

”会社のイメージを刷新するために、なんていって玄関ロビーに大きくて難解な抽象画をかざって済まそうとするタイプのデザイナーとは少しちがうんです、私の場合は。”-ElliotNoyes

”ロゴデザインで一番大切なことは他と区別できてすぐその会社と判ること、そのためにはシンプルであることが最も有効な手段となるんです。”-PaulRand

”制約事項というのはデザインを阻害する要因ではありません。優れたデザインとはむしろ、できる限り多くの制約事項を見つけだし適切に把握して、いかにしたらそれらの要件を満足しうるかを追及する作業によって導びき出されるものなのです。”-Charles Eames

”何か特定の目的があって、それを一番効果的に達成できる方法を考えること、それがデザインなのです。”-Charles Eames

優れたアートワークは多くの場合、足し算でも掛け算でもなく、徹底した引き算によってもたらされる。チームの野心的な試みとそのコンセプトはこのシンプルで力ずよく、それでいてモダンな傑作ロゴデザインの中に見事に凝縮して表現されることになった。

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